英国王室の戴冠式とクラウン ジュエルズ
英国王室の戴冠式は、長い歴史と様々なしきたりを持つ儀式であり、ここで国王から国民へ永遠の誓いが捧げられます。そんな戴冠式で重要な役割を果たすのがクラウン ジュエルズです。技術とクラフトマンシップ、そして長い歴史が息づくクラウン ジュエルズは、その神聖なる一品一品が、君主の力と約束、そして君主と国との関係を象徴しています。世界で最も名高いダイヤモンドが据えられたクラウン ジュエルズは、君主の権力と献身の究極の象徴なのです。
英国戴冠式の歴史
英国の戴冠式はアングロ・サクソンの時代に初めて執り行われ、1,000年以上にわたり中世様式の儀式が継承されてきました。イギリスは、今なおこの様式に従っているヨーロッパで唯一の国です。
1066年、ハロルド2世がロンドンのウェストミンスター寺院で初めて戴冠式を行いました。以来この伝統は継承され、39回の戴冠式がウェストミンスター寺院で執り行われてきました。
クラウン ジュエルズ
ロンドン塔に厳重に保管されているクラウン ジュエルズは、時代とともにコレクションの追加やリメイクが施されてきました。しかしその中核は、君主制が復活した 1660年にチャールズ2世のために作られた一連の装飾品が占めています。
では、このクラウン ジュエルズの一部とそのストーリーを詳しく見ていきましょう。
知っていましたか?
1815年までは、クラウン ジュエルズの管理者に少額の寄付金を払うと、クラウン ジュエルズに直接手を触れることができました。
残念なことに、ある興奮した訪問者によってジョージ1世の大英帝国王冠が曲げられたため、この機会は失われてしまいました。
宝珠
宝珠(Orb)と呼ばれる球体のクラウンジュエルは、ゴールドでできており、365個のダイヤモンドの他、真珠、ルビー、サファイア、エメラルド、そして1石の大きなアメジストで飾られています。式の間は君主の右手に置かれ、その後、祭壇の上に置かれます。君主が宝珠を受け取る儀礼は君主の権威を示すものであり、その伝統はローマ時代に遡ります。
腕輪
22Kゴールドに彫刻とバラの留め金が施された2つのブレスレット。式の間君主の手首につけられ、「誠実と知恵」を象徴します。
指輪
「イングランドのマリッジリング」として知られるこのゴールド製リングは、八角形のサファイアの上にスクエアカットのルビーが置かれ、ダイヤモンドがそれを囲むように配されています。大司教により君主の右手の4番目の指につけられるこの指輪は、君主と国家との「結婚」を意味します。
十字架の王笏
戴冠式の間、君主は権力を表す王笏を手袋をつけた手で握ります。これは、権力の賢明な行使を意味します。王笏には「偉大なアフリカの星」とも呼ばれるかの有名なダイヤモンド、カリナンIが配されています。この涙型のダイヤモンドは530カラットを超え、研磨済みダイヤモンドとしては世界最大です。
献納の宝剣
ダイヤモンド、サファイア、ルビーなど、幾多もの貴石が飾られた献納の宝剣は、善の保護と悪の処罰のために用いることを命じた教えとともに受理されます。
聖エドワード王冠
後に聖人となった中世の王、エドワード懺悔王が用いたことに由来する聖エドワード王冠。エドワード懺悔王の戴冠式でしか用いられることはありませんでした。計444個の貴石や半貴石が飾られており、重量は約2キロに及びます。
大英帝国王冠
戴冠式の最後とパレードの間に用いられる大英帝国王冠は、最も精巧な王冠であると同時に、最もよく使われる王冠です。
王冠には、317.4カラットのかの有名なクッションカット ダイヤモンド、カリナンIIが据えられています。カリナンIIは、カリナンから研磨された中で2番目に大きなダイヤモンドです。また、王冠の頂点の中央にある小さなブルーサファイアは、中世の王、エドワード懺悔王の指輪からとられたものであると言われています。
クイーン・コンソートの王冠
結婚している王が戴冠する際、王の妻は「クイーン・コンソート」と称されます。クイーン・コンソートの王冠は歴史的に、世界で最も有名なダイヤモンドのひとつであるコ・イ・ヌールがあしらわれていました。コ・イ・ヌールは現在では、エリザベス皇太后の王冠に飾られています。この105.6カラットのクッションシェイプ ダイヤモンドは、それを身に着ける男性に不運をもたらすという伝えから、この王冠は女性であるクイーン・コンソートが所有することになっています。
女王エリザベス2世の戴冠式
1953年6月2日、季節はずれの寒さと雨に見舞われた夏の日、女王エリザベス2世の戴冠式が執り行われました。16カ月にわたる計画の後、女王が27歳のときでした。
式典だけでも、英国貴族や129の国や地域を代表する国家元首をはじめ、8,000人を超える人々が参列しました。また、テレビで放映された最初の戴冠式となり、2,700万人の英国民がその様子をテレビで見守りました。
女王のドレスには、英連邦の国々を象徴する花の紋章が刺繍されており、花のブーケでもその象徴性は明らかでした。
まるで伝統的な英国の結婚式のように、真珠や金銀の糸を使った手刺繍のドレスを着た6人のメイド・オブ・オナーが女王に付き添いました。
式典後、女王は金の馬車に乗り、5時間かけてロンドンの街を約8キロにわたりパレードし、200万人の人々から祝福を受けました。このパレードは14世紀に始まった歴史的儀式のひとつでもあります。
永遠の約束
英国の戴冠式は、1,200年以上にわたり継承されてきた英国の歴史にとっても極めて重要な儀式です。デビアス フォーエバーマークがダイヤモンドの「永遠の輝き」をお約束しているのと同様、それは、君主から国民へ交わされる永遠の約束なのです。
ウェストミンスター寺院およびロンドン塔: Adobe Stock
その他のストック画像: Getty Images
ダイヤモンドは 永遠の輝き
“愛”の象徴、 ダイヤモンドの歴史
ダイヤモンドは 永遠の輝きダイヤモンドの魅力は、 その類希なる美しさだけではありません。 ダイヤモンドに込められた意味もまた 私たちの心を捉えます。 ダイヤモンドに込められた様々な意味は、 時を経て進化し、 そして様々な文化に広く伝わってきました。
本文を読む“永遠”の道を拓いた女性
ダイヤモンドは 永遠の輝き1947年、ひとりの女性のインスピレーシ ョンによって4語のフレーズが世に送り出 されました。「A Diamond Is Forever (ダイヤモンドは永遠の輝き)」---誕生 から70年以上経た今もその魅力を失うこと
本文を読む「ダイヤモンドは永遠の輝き」に込められた意味
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